僕の十の死因


銀髪マスターとの性格の不一致

たった一度だけ、きみを拒絶したこと

タクシー代をけちったこと

神さまに見捨てられたこと

くだらない詮索をしたこと

治し方の知らない傷をつけたこと

大切なことに気づくのが遅かったこと

現世の希望をも亡くしてしまった

ほどけた靴紐も見ないふり

追いつかれてしまったんだ




























COLORS


侵食する透明

あなたと見上げた白の惑星

夕陽の朱を握り潰した

とろけるバター色にくちづけ

赤い薔薇の伝言

コパルトブルーの深さまで沈没

あなたの漆黒を見失う

群青を飲み込んだ瞳

白濁の泡を飾った少女

そのぎんいろが脳内麻薬




























不愉快な十の台詞題


「理解しがたいね」

「視界に入らないでくれる?不快だ」

「暑苦しいのは嫌いなんだよね」

「…服が汚れるんだよね。消え去ってくれないかな」

「掃き溜めに捻じ込みたくなるね、ほんと」

「君は僕を怒らせたいのか?」

「僕に迷惑をかけない程度に死ね」

「きみの長所?…胴が長いことかな」

「ねぇ、これにちゅーして」

「幼児以下だな」




























ラブゲーム


その瞬間ゴングが鳴った

あまくてやさしすぎる指先

からかってるだけなんでしょ?

うそっぱちのキスなんていらない

なんでそんなに、あなたはやさしいのよ

いっておくけど、わたしも大分負けず嫌い

盗み聞きはうそつきの始まり

大っ嫌いしねバカ今までありがとう

ねぇ、焦ってるの?ねぇ、なんでさ

ほんとは ほんとは ほんとのほんとは




























きみがすきです


きみはいつもぼくのしらないところをみつめて、しらずしらずのうちにみとれさせていたね

人間やればできるんだろうけど、さ。でもさでもさでもさ!…………ね、ぇ

それにきっと意味なんてないんだろうけど、ぼくにはあるんだ痛いほどにね!

ぼくは欲張りなうえに軽く変態です

このままあっさりと幕を引くことは、どう足掻いてもできなかった

おもいっきりかっこつけることにきめた

ぼくはないてますかわらえてますか

にげるなにげるな!ここ、でにげるな!

きみはいつもくらくらとぼくをころしてしまいそうになるね

そうか、きみはさびしかったのか




























少年少女


15歳少女はまれに地獄をみる

15歳少年は優々と夢を見る

14歳少年三名のはじめての尾行

約15歳少年少女による最悪と失態

15歳少年少女の健やかなる野望

15歳少女の命懸けの寄生

約14歳少年少女による陰謀

15歳少年による少年のための希望

15歳少女による少女のための徘徊

15歳やっぱりすっかりおとこのことおんなのこ




























夏の日のさよなら

(お題リンクさまの企画に参加させていただきました!)

(なんとなく飛び出した、コーラの空き缶、なんとなく飛び込んだ)

(ついたての先、くつおと、ききそびれた)

(ノイズ、あかい風船、ひかるなにか)

(ひかりのなか、アメリカンチェリー、酷い酷い酷い)

(のうみその鍵、なぜならそれは、サンプル)

(さかな、噴水、さかな再び)

(よからぬかぜ、おとな、とりあえずどうにかなったりするもの)

(なんだかぼくらは、愛の国、とりあえずどうにもならなかったりするもの)

(ランダム、表現するものしないもの、くりかえすさよなら)




























数字で十題


ゆだねるゼロの距離

真一文字の刀傷

不吉は時速220キロの速さで

好敵手NO.3

4月1日、永遠にとけない嘘を吐いた

ラスト五秒に零れた言葉

六番目の罪状

スリーセブン・ヒーロー

38.8度のてのひら

99回目の奇跡




























STAND BY ME


机の上のおとぎ話

この町いちばんの悪魔

BY THE WAY

秘密の声

フラッシュバック 僕を攫って

しめりけ、甘い香り

照らされない空のかわりに

紙一重、君の中の光によく似たもの

世界中の太陽が

さよなら僕のあいしたひと




























貴方に花を贈る十のお題

(お題リンクさまの企画に参加させていただきました!)

四つ葉のクローバー入り幸福行特急ブーケ

いばら姫はメッセージ・カードとともに再び眠る

愛と狂気と花束と

つぼみに手を触れないで

さよならの時あなたに小さな花束を贈るよ。それが枯れるまでに俺のことを忘れてほしい。

花びらに埋もれたのはそれとも、

しかしながら花葬

夜道を歩く黄金の向日葵に手を振って

あなたと見た最後の花が、また今年も桃色の雪を降らす

春風に靡くは、願わくばあの花であれ




























別れの前にしておきたい十の項目


君のささやかで意味のない無味無臭の嘘を心の底から信じること

君の髪を洗うこと

君のいない未来を想像すること

君に涙を見せること

君の心音を聴きながら眠ること

君に特別な花を贈ること

君の写真を燃やす覚悟をすること

君と過ごした日々を思い起こすこと

君のために愛を込めて祈ること

君が傷つかないことを願うこの馬鹿な心を殺しておくこと




























愛の数だけ人は


悲しくなる

淋しくなる

弱くなる

ためらう

言葉に詰まる

すすり泣く

待つ

思い出す

祈る

言葉があふれる




























職業:家事手伝いからの脱出


朝日

その人は

くたびれ損

目くそ鼻くそ

知らなくて不必要なこと

時々不意に思い出すこと

アンチゴッド

滑空して旋回

星ひとつ

夕闇




























わたしはわたし以上でも以下でもない


雨の門

待ち人来たる

スープ・ア・スター

彼と土くれ

天使じゃなくたっていい

隠れて生きよ

アイアム

笑って許して

空に一発

この手をとれ




























ありふれすぎてるラストシーン、いまどき流行らないラブストーリー


秘密

墓前の逃走

距離およそ12,756.274 km

太陽と幻想

けだもの

短い人生

WHYがあふれて息ができない

馬鹿男と馬鹿女

いますぐ欲しい

明日も、明々後日も、その先も、もっとずっと未来まで

(12,756.274 km…赤道面での地球の直径 Wikiより)